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ファニーって褒めてるんだか褒めてないんだかよくわからない/『パリの恋人』

「ファニー・ヴァレンタイン」のせいでそう思うだけどさ。

パリの恋人 [DVD]

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 編集長の真っ青なアイシャドウがあまりにも鮮やかすぎて驚いた。

お気楽に楽しみたかったので、吹替で見てたんだ。そしたら、なんか聞き覚えのある声だなと思ったら、マギー編集長の声がマクゴナガル先生!調べたらマギー・スミスをよく演じている谷育子さんだからそう感じたようである。吹替ってこういうのよくあるよね。あと、フロストル教授の声がオーキド博士

フレッド・アステア演じるディックが、オードリー・ヘップバーン演じるヒロイン・ジョーずいぶん「ファニー」と言うなと思ったら、原題が"Funny Face"なのね。「パリの恋人」とか分からなくもないけども、なんかタイトルの面白みが減ってる気がする。

OPから、色鮮やかなはっきりとしたシルエットが良いなと思ってたら、全編どの場面も絵画のように良く出来てる。マギー編集長が「これからはピンク!」と歌う。どのピンク色がキレイだし、それだけでなくて、オードリーが演じるヒロインの勤め先の本屋の褪せた色合いと、ファッション編集部の人たちの鮮やかな色合いとの対比とかもホント綺麗で、出だしから良かった!

色合いだけでなくて、ファッション界を題材にしてるだけあって、構図とか小道具の使い方もいちいち素敵。そして、写真撮影の場面がどれも構図がすごい。というか、ディックとジョーがくっついたダンスの場面とか、動きながらずっと構図がよく出来てるのが、すごすぎて何アレもうあそこに白い鳩と白鳥とかよく出来たおとぎ話のハッピーエンドの舞踏会っぽくよく出来すぎてて、もうアレどうやってんだろう?あの時代だし、CGじゃないだろうし魔法?

そして、お話もたまんない。ヒロイン達が仲を深めていくのが、王道って感じの流れなのが堪らない。こういうのいいね。中高生の時はどこかこっ恥ずかしくて避けてたけど、やっぱ王道はいいわ。

そうそうそう、映像は構図とかだけでなくて、ダンスも見応えがあって楽しい要素だ。ダンスの種類があまりにも多彩なのも見応えがあるし、それに対応しているフレッド・アステアがカッコイイ。ステップも格好良いけど、ちょっとした動きがとってもスマートとか、筋肉すごいことになってそう。

編集長といいどのキャラもそれを演じる役者さん方もいい感じなんだけども、フレッド・アステアオードリー・ヘップバーンの年の差がなぁ……ああいう年の差無くもないけども、ファンタジーさが増すので、あれは虚構と自分に言い聞かせるのにはいいか。

オードリー・ヘップバーンコンテンポラリーダンスみたいなのとか、様々なダンスをこなすのも見ていて面白い。これで顔立ちがキレイだわカワイイわ、とか超人っているんだなぁと思ってしまう。しっかし、いかに美人でチャーミングな顔立ちのヒロインとはいえ、普通に実際に居たら痛い子だなぁ。

んで、さすが名作だけあって音楽も聞いてて気持ちいいなぁ。ガーシュウィンが作ったってだけで、ハズレは無いようなものだという先入観はあるとはいえ、どれも聞いてて楽しい音楽だなぁやはり。

古いからこそ思うことはあるけれども、一度は見て置いて良い映画でした。