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古今東西お婿というのもしんどそう/『真珠の耳飾りの少女』

メガネかけた英国人でないコリン・ファースを見るために見るのだ。 

真珠の耳飾りの少女 [DVD]

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同名の小説を原作にした映画で、原題もそのまんまである。わかりやすさって大事。

 1655年のオランダを舞台に、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」絵画を題材にしたお話である。この時代の新教の国であるオランダにとって、カトリックのご家庭の存在はそれだけで異質というか浮いていたというか、ちょっとした噂も十倍になって広まったりとかたんだろなぁ、とか色々想像が膨らむので、歴オタ的には超楽しいです。

出だしから雑然としつつも美しい構図だなと思ったら、どんどん有名な絵画が再現されていいく。整然とした食卓の光景とか、どこか見覚えのある角度の窓とか、本当にフェルメールの絵の通りである。それ以外の絵もどれも実に美しい絵画になり得るようなものばかりだった。

画面の美しさだけでなくて、お話の方であるよ。フェルメール家の事情とか、主人公グリートの年相応の恋の遣り取りとか、主題であるフェルメールとの秘密のような淡いだ。とはいえ、芸術への理解は足りないとは言え妻も愛していけど、芸術に理解してくれる上に若くて美しい使用人に気を引かれるとか、お話としては面白いけれども、フェルメールのゲスいな。そして出て来るオランダ人男性が、基本的にチャラ男である。

そして、全体的にエロい。あからさまなシーンもないし、グリート役のスカーレット・ヨハンソンの肌の露出もないんだけども、それが余計エロい。エロいというか、官能的と言ったほうが相応しいか。二人共多くを語らないし、愛の言葉どころか好意の言葉すら口にしないってのに。

フェルメールの義母が一番複雑というか、多くの面を持った人物であると思う。自分の娘も愛しているし、孫もみんな可愛い。しかし、フェルメールの才能への愛情も、み家族への愛情と同列かそこまで行かなくても、彼女にとって優先順位が高いものでありそう。早く対処すれば不安定になってる娘や孫達は落ち着き家庭の幸せは守られるのに、それが揺らぐと分かっていながらも、作品のために対処を先延ばしにするあたりそう見える。とはいえ、フェルメールが画家として大成すれば娘の安定にも繋がるし、その辺は迷うなぁ。とはいえ、一番面白いキャラクターなのではないか。原作小説なら詳しくそのあたりの心境も書いてあるんだろうか、ちょっと気になる。

今より若いということもあるけども、メガネのないコリン・ファースカッコイイな!