あ、コレなんか違う/『封神伝奇 バトル・オブ・ゴッド』
翔び立て!勇者・雷震子!だった。
祝・フジリュー版封神演義再アニメ化だし折角だし!って気持ちで見たんだ。それが全ての間違いだった。
殷周易姓革命というか封神演義の舞台を使った何かだった。フジリュー版は安能版を原作にした上にSF解釈したてるトコはあったけども、これはほんと別に封神演義でなくてもいい。かっこいい所とかやってみたい所を詰め込みました感がすごい。バトルもあればミュージカルもあるよみたいな感じで、悪く言えば節操ない。あのキャラ人気があるから出したんだろうけれども、出さなくてもこの話にはまったく差し支えがない、とかそういうのがある辺り、本当にそう思う。
哪吒*1とかアイテムだのなんだの、技術を詰め込みました感がすごいし、CG使ってない場面てあるの?っていうぐらい映像はすごい。お陰でファン・ビンビン演じる妲己ちゃんが本当に強大な妖怪っぽそうでそこは素敵。
お話もかっこいい場面とかやってみたかったんだろうなという場面ばかり詰め込んでいるので、かっこいい動きとかバトルが満載なんで映像は見てて楽しいんだけれども、ストーリーはそんなに……っていうか、中身を求めていけないどころか中身が無い。あまり深いこと考えてはいけないやつだ。詰め込みまくって展開がとても急だし、話の流れとかもあまり考えていない気がする。「ファン・ビンビン美人!」とか言って楽しむ分にはいいけども、それ以上が無い。色々諦めてお話を「バトルとかかっけぇー!」って思えるスッキリ爽快バトルモノとして楽しもうと思っても、モヤッとするし、ファン・ビンビンとかにキャッキャするのが一番健全な楽しみ方だと思う。
「封神演義」を原典にしている割には、ハンバーグ(肉餅)のエピもないし、周公旦とかその辺の有名人も出てない。申公豹はご本人も霊獣もかっこいいけども、霊獣が黒豹だったりムチを持ってるあたり、趙公明とごっちゃになってるような気がするし、お話もまともな共通項がない。これ「封神演義」でなくて「中華ファンタジーで色々やってみました」みたいな感じでやっててくれればもっと素直に楽しめたのになぁ。なまじ原作知ってるだけに余計違和感を覚えてしまっている。
ファン・ビンビンという美人を覚えられたのでそこは良しとしよう。
*1:漢字変換できてる!すごい!