「もうちょっと」は一日一回まで

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好きな天草はアマクサさま(ボンボン派だもの)/『天草四郎時貞』

子供の頃TVで見た大島渚監督は、偉そうでなんかよくわからんけどオモチロイおじちゃんというイメージであった。

1962年の大島渚監督の映画である。おまけに白黒なので、冒頭にキャストが出るのはいいんだけども、誰が演じてるんだかわからない。映像を見慣れていないというのもあるんだけども、そもそも役者さんがわからない。なので、キャストを参考にしようと思うも、冒頭のキャストが役者名が出ても役名が出てない。一人複数役でもやってるのか?とか思うけども、顔と名前が一致しないので検証しようがない。かろうじて名前がわかるのが「三國連太郎」と「平幹二朗」ぐらい。自分が知ってる年取った顔とは違う若い顔だから参考にもならない。しかし、どことなく息子さんの面影がある「この人かな?」って顔立ちの美味しいポジの人はわかった。

そんな感じで役者さんを味わうことが出来ないので単純にお話を見ようにも、このお話なんか初っ端からイデオロギー強いな。どういう主張かはちゃんと読み取れていないので置いとくとして、いかにもそういう面倒な映画だ。絵に描いたような悪代官的な役が登場し、圧政に苦しむ島原の民草からはじまるのは、島原の乱の描き方としては正しいのだろうけども、何かが違うような…他の方のレビューとかいろいろ見てたら「60年代」とか「安保闘争」とかあって、そりゃぁわからないわ。

チャンチャンバラバラとか合戦シーンを期待してたけども、そんなシーンもない。ポスターみたいに一刀両断していく天草四郎が見られるのかと思ったけれども、そんなことがない。一揆一揆で蜂起しようかどうかとか疑心暗鬼でグダグダ言うてるし、幕府も幕府で蓑踊りとか引き回しとかそういうシーンが多いので陰鬱な気持ちにさせてくれる。大掛かりなセットや人といい、この時代の映画すげーなー、と感心するシーンは多いんだけどそんな印象が霞むぐらいの陰鬱さである。終わり方もなんかスッキリしないしなぁ…

その他でちょっぴり感心したのは山田右衛門作が出したり、割と歴史というか史実を踏襲した流れで進んでいたということ。だからといって、また見ようとは思わないかな。